気が付いたら、すべてが終わっていました。
この記事では常位胎盤早期剥離で死産した私が、入院中にやった死産届や火葬の様子をまとめています。
前回:【死産体験談】痛みは?出血は?徴候は?常位胎盤早期剥離が起こり産科DIC発症までの流れをまとめます。
Contents
手術後火葬までの記録
気が付いたらICU(集中治療室)
心拍数や血圧測定器などの機械の音で目が覚めました。
腕に管がいっぱい刺さっており、身動きが取れない。
喉に挿管されているためなにもしゃべることができない。
ああ、おわったんだな。もうあの子はいないんだな。
ぼーっとしていたら先生がベッドに来て説明くれました。
術後の状態が悪かったのでICUで様子をみていました。
意識がもどったのと状態が安定してきたので、もうすぐしたら一般病棟に移れると思います。
意識レベルが低下してたので、子宮摘出、透析、そして最悪な状況も考えられました。
もうヤマは越えたので母体は大丈夫です。
おなかの子が腹痛で知らせてくれなかったらどうなるかわからなかった。
おなかの子がお母さんのことを守ってくれたんだね。
その言葉に、ただ、泣きました。
喉に管が入っていて声は出ないけど。
そうかおなかの子が知らせてくれたのか。
でももうちょっとはやく病院いってたら、おなかの子もたすかったかもしれないなぁ。
そう思うと悔しくてたまりませんでした。
わたしだけ生きてごめん。
一般病棟に移動
1日ぐらいICUで過ごしたあと、一般病棟に移動。
安定したとはいえ油断できないので、病院が用意してくれた個室で様子をみることになりました。
移動するにあたり喉の管は取れましたが、酸素マスクや他の管はまだついたまま。
主治医の先生が病室に来て話してくれました。
おなかの子が残念なことになったので手放しでは喜べないけど
あれだけの状況だったにもかかわらず意識もはっきりして腎臓の機能も回復してる。
きっとお母さんを守ってくれたんだね。
なにも考えられないほど泣きました。
そして自分だけ生きているのがくやしくてたまらなかったです。
赤ちゃんとの対面
入院して2日目。
夫と上の子が今日もお見舞いにきてくれました。
みんなが来てくれたので、赤ちゃんと対面する準備をしました。
看護師さんに赤ちゃんを連れてきてもらうようにお願いしたのだけど
どんな顔して会えばいいかわからない。
でも会いたい。
でもわたしに会う権利なんてあるのか。
もやもやした気持ち、沈黙の待ち時間。
しばらくすると、赤ちゃんが看護師に抱かれてやってきました。
看護師さんがこういうことを言いました。
死産は戸籍にも載らないの。
産まれた証明ができない。
だからお別れする間いろいろなことをやってあげてね・・・
そしてしばらく家族だけの時間
はじめまして。
お母さんだよ。
そこにはとてもかわいい女の子が、
小さくても確かに生きていたわたしの赤ちゃんがいました。
血色は悪かったけど
寝ているようにしか見えず、すぐ目を覚まして泣き出しそう。
とても可愛くて、プニプニで、他の子と変わらない赤ちゃん。
お姉ちゃんのちっちゃいころに似ているね。
だけど
なんで動かないのかな?
泣き声きかせてよ
目開けてよ
母乳のんでよ
もう死産したってわかっているのに、現実をうけとめられなかったです。
もう少し長くいたかったけど、身体が綺麗なうちにお空へ・・・という思いがあって
帝王切開3日目にお別れすることにしました。
そして火葬
葬儀業者は病院の紹介しているところを利用しました。
本来なら自分で探したほうがいいと思うのですが、そんな余裕はなかったです。
葬儀業者との打ち合わせは夫が担当。
火葬するにはいろいろな書類や支払いが必要でなにかと大変でした。
翌日、病室から車椅子で火葬場へ移動。
火葬場には葬儀業者が用意してくれた小さなひつぎがありかわいい我が子が寝ていました。
もうお別れなんだな。
一緒すごしたかったな。
さみしいな。
棺におもちゃとお花と家族の写真いれて蓋をしました。
そしてお別れ・・・
火葬の待ち時間は40分ぐらい。
火が強いからもしかしたら骨は残らないかも・・・といわれていましたが、骨はしっかり残ってくれました。
骨を骨つぼにいれ、病院へ帰りました。
なんで、こんなにちいさくなったんだろうなと思いながら・・・
死産の場合提出するのは「死産届」
医師から死産証明書を受け取り、最寄りの役所へ死産届を提出します。
妊娠12週以降の赤ちゃんがおなかの中でなくなってしまった場合、役所へ提出する届は「死産届」です。
死亡届とよく似ていますが、
死亡届は戸籍が作られるのに対して死産届は戸籍が残りません。
死産届は、死産した後7日以内に届を出す必要があります。
死産届は厚生省令第42号第9条により父親が提出します。父親が事情があり、提出できない場合は母親が提出します。
死産届は戸籍が残らないという事実は精神的につらかったです。
葬儀業者を通さず自分でやってもいい
私の場合は、病院の紹介しているところを利用しましたが、自分で手続きしても構いません。
自分でやる場合はこの手続きをします。
- 死産届を記入
- 火葬場に予約し、埋葬許可書を発行する。
- 役所に死産届を提出
- 火葬する
業者を通したことで手続き系はやってくれたので助かりました。
そんなに手順がないので自分でも可能ですが、産後無理せず業者にお願いしたほうが無難です。
業者は病院からの紹介以外にもお願いできます。
業者は、赤ちゃんを送り出すのに必要なもの、お骨を残せるかなど火葬ついての質問などをしっかり答えてくれるところがいいです。
葬儀などの疑問はなかなか聞けないですが、Webでは全国・365日24時間対応の葬儀レビというサービスもあるので利用してみてもいいですね。
火葬の費用
現実的なお金の話になります。
私の場合ですが
業者に依頼で2万円+火葬費用1万円の3万円ほど。市内在住か市街在中かで値段が変わってくるようです。
戸籍に残らないからこそ赤ちゃんとの時間を大切にしたい
同じような体験をされた方
死産して、赤ちゃんと面会するときにどう接していいかわからないと思います。
そして死産した場合、戸籍には残りません。
だからこそ
自分の記憶に残るよう、家族の記憶に残るよう
お別れの時間までしっかりと赤ちゃんと向き合う、後悔しないように赤ちゃんとの時間を大切にしてほしいと思います。
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